代表からのご挨拶

 代表からのご挨拶 全国児童青年精神科医療施設協議会   代表  原田 謙


新井先生からご推薦いただいて、新代表を務めさせていただきます原田です。自分が児童精神科医になってからは30年経ちますが、大学生活が長く、現在の県立病院に異動したのは平成26年のことです。初めて全児協の研修会に参加した時には衝撃を受けました。そこでは、児童精神科に関する1つのテーマを深く掘り下げ、職種を超えて皆で議論しあっていました。発表を聞いて、自分たちの治療を振り返り、自分を振り返り、良い点には自信を持ち、足りない点を補おうと思いました。これは通常の学会にない、全児協研修会の素晴らしい特徴だと思います。


学問的な意味だけではありません。研修会では、同じ苦労に汗を流し、そのことに意味を見出そうとする仲間が全国にいて頑張っていることがひしひしと伝わり、帰路では、明日からまた頑張ろうという活力が湧いてきました。国府台病院で研修を終えて信州に戻った自分は、常に孤独と、『自分の治療はこれでいいのか』という疑心暗鬼と戦ってきましたが、年に1度とは言え、同じ志をもつ同士と集えることはなんと喜ばしいことでしょうか。こうした研修会を軸とした全児協の活動を充実させるために、代表として次の点に務めたいと考えています。


1つめは、発表や発言者の意見を真摯に受け止め、そのポジティブな部分を共有するという理念を大切にすることです。これは自分の臨床の理念でもあります。臨床の場に現れる親子は、それぞれ欠点を持ちながら懸命に努力しています。批判や否定は簡単ですが、そこからポジティブなものは生まれがたい。これは組織においても同じだと思います。


2つめは、研修会の内容や議論の仕方を常に検討しつづけ改善し続ける努力をすることです。今まで参加した研修会は、医師の発言が多く、若干、他職種が発言しにくい空気があったように思います。それもあって、第51回研修会は発表者同士が議論する形にしました。今後も、職種も経験年数も超えて、気楽にかつ自由に意見を述べることのできる環境を模索したいと考えています。


3つめは、いろいろな世代や立場を繋ぐ役目を果たすことです。半世紀の歴史を持つ全児協は、昨今の診療報酬の優遇もあって、年々参加施設が増え続けています。初回から参加している公立の施設もあれば、新規に参加してきた私立の施設もあり、規模や経営方針も様々です。新しい意見も取り入れながら、これまでの伝統とのバランスを取りたいと考えています。


私は、全児協という組織ではまだまだ新参者です。至らぬ点も多々あると思いますので、意見は大歓迎です。皆さんのご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。